太郎です。
私は2017年に茨城県から岡山に移住してGジャンブランドを作りました。あれから丸5年経ちました。今でもなんとか事業を続けられているのは、起業時に児島産業振興センターのインキュベーション施設に入居できたからです。アパレルで起業する人にとってはすっごいお得なんです。心底感謝しています。
でもこの施設、まだまだ全然知られてません。
ということで過去にYouTubeで児島のインキュベーション施設を紹介する動画をアップしました。
おかげ様で1万回再生されました…が、この動画では伝えきれなかったこともたくさんあります。
ということで今回改めてブログとして投稿します。
児島のインキュベーションがどれだけありがたいか、どれだけお得か、入居するデメリットは?などなど私感を込めて紹介いたします。
起業しようと決意されてる方、起業して良さげな事務所の物件を探している方、移住と同時に起業をお考えの方、いらっしゃると思います。ちょっと長文になりますけど起業を考えてる人にとっては人生が変わる一大事です。じっくり時間をかけてご覧いただき、是非とも検討材料のひとつとしていただければ幸いです。
なお この投稿に書いてある情報は執筆時点のものであるため、家賃等の最新情報については下記ページをご参照ください。
そもそも”インキュベーション“って何なんでしょう?
インキュベーションは英語のincubation、卵の孵化を意味します。その名のとおり起業家の卵たちを孵化させ巣立たせるのを支援する施設です。具体的には安い家賃で部屋を借りられたり、事業に関する相談ができたりと起業した人にとって様々な恩恵があります。
全国にはこうしたインキュベーション施設がいくつもあります。ただ、アパレルに特化したインキュベーションは数えるほどしかありません。それについては別の投稿で紹介しているのでご参照ください。
児島デザイナーズインキュベーションのプロフィール
児島インキュベーションの正式名称は倉敷市児島産業振興センター デザイナーズインキュベーションだそうです。長いのでここではDI(ディーアイ。Designers Incubation)と略すことにします。
場所は倉敷市児島産業振興センターの建物(岡山県 倉敷市 児島駅前1-37)の1階にあります。
聞いた話によると、かつては大学のキャンパスとして使われていた校舎を市の施設として再利用されたとのこと。新しくてしっかりした建物です。
DIの居室は全部で7部屋。それぞれ事業者がいます。私がいたのは5号室(DI-5)。角部屋で快適でした。
部屋の館内図は下記のとおりです。
部屋の詳細は別ブログにしましたのでご参照ください。
部屋の様子をバーチャルツアー
Googleストリートビューに施設内の360°写真がありますので埋め込んでおきます。ご覧ください。
さらにもっと高画質なバーチャルツアー体験もできます。遠方でなかなか気軽に児島まで来れないという方、是非下記URLからご覧ください。
もし本気で移住&起業を考えてても、移住してから後悔するのは避けたいですよね。なので、できれば一度児島にいらして自身の目で施設や居室、そして周辺の住環境を確認するのが良いと思います。その際は産業振興センターでレンタサイクルをしているので自転車に乗って散策するのがGoodです(このページから事前予約が必要です)。
私はDIに3年以上入居しました。ということで卒業生としてDIの良いとこを事細かに紹介していきます。
良いとこ①「家賃が安い」
まず安い。前出のブログでも紹介しましたが、東京都内のインキュベーションは家賃・共益費合わせて少なくとも3万円くらいはします。で、そこから電気代とごみ処理費がかかります。あと保証金も家賃の3か月分必要だったり。でもそれだって十分安いんですよ。
一方児島のDIはと言うと…。
18,656円~34,951円
税込みです。
このブログのタイトルで「2万円台で借りられる」と言っておきながらナント1万円台から借りられちゃうんです。
共益費込み。ごみ処理費も込み。
しかもなんと電気代まで込み。
さらに、さらに、敷金・礼金・保証金が0円。
嘘でしょ…?
この家賃なら、(価格帯にもよるでしょうが)服が数着売れたら元がとれる計算。
ちなみに毎月の家賃はその都度現金で事務所で支払います。
駐車スペースも借りる場合は月4200~5200円かかります。駐車場代が高く感じてしまう不思議。
なんでこんな安い賃料なのかと言うと、倉敷市の税金が投入されているからです。血税です…! 私も入居している間は「血税に補助されている…ありがたや…」という意識。
あと、よくある質問で聞かれるので一応言っておくと
ここに住むことはできません
住居は別です。私はDIから徒歩2分程度の距離のアパートに住んでました。家賃は4万円。DIの家賃と合計しても6万円ちょっと。安いですよね…?
起業当初は固定費を抑えたい
起業したてはお金がかかるものです。事務所の家賃もそうですが、必要機材やインテリアなど何かにつけて出費がかさみます。起業に向けて貯めてた資金もどんどん減っていきます。そして何より起業当初はなかなか売上が立たないもの。商品企画しても売れない、巷で流行ってると聞いてトレンドの商品を作っても…売れない。かといって守りに入って何も動かなければ廃業まっしぐら。試行錯誤の連続です。
売上が立たない間は営業費や商品開発などにかけたお金がまんま減っていきます。資金がどんどん溶けていきます。最初はよく分かってないから無駄なお金の使い方をしてしまうこともしばしば。逆にお金をかけるべきところはかけないといけないのですが、資金が溶けていく状況では慎重になりすぎてしまいます。起業当初はこの期間をいかに耐え忍ぶかが肝になってきます。飛行機で例えると滑走路を飛び立とうとしてエンジンを全開にする期間です。この期間に燃料が切れる、つまり資金ショートすると廃業を考えなければなりません。そうならないためにもできるだけ固定費や支出を小さくしておくことが重要です。
DIは入居期限が3年ですが、その間は家賃は安いわ、保証金がいらないわ、ミシンが揃ってて初期投資が少なくて済むわ、で普通に起業するより全っ然お金がかかりません。資金の減りを押さえながら滑走路を全力で突っ走ってスピード(売上)を上げて離陸し、軌道に乗った状態で卒業する、それを実現してくれるのがDIです。
良いとこ②「工業用ミシンがたくさん」
安いだけじゃないんです。児島のDIのウリはこれです!
工業用ミシンがたっくさんあります!
家庭にあるような家庭用ミシンじゃないですよ!
服飾専門学生が使うような職業用ミシンでもないですよ!
デニムがすいすい縫える工・業・用ミシンがたくさんあるんです。
インキュベーション施設は全国各地にあれど、これだけ工業用ミシンが揃っているのは恐らくここだけです(他にご存じでしたらコメントください!)。
DIに入居すると個室が用意されます。それとは別に共用の工房があるんですけど、そこに工業用ミシンがいっぱいあるんです。その工房の様子はこんな感じ↓
ちなみに↑の1枚目の写真にあるスペースは倉敷市民の方もご利用可能です。一度ミシン講習を受ければミシンカードを発行できるので、それを使って予約して工業用ミシンを使うことができます。
で工業用ミシンやその他設備はざっとこんな感じ↓
↓が2022年6月時点のミシン等機器一覧です。
設備 | 台数 |
---|---|
本縫いミシン(薄物) | 1 |
本縫いミシン(中厚) | 10 |
本縫いミシン(厚物) | 3 |
本縫いミシン(極厚) | 1 |
オーバーロックミシン(薄物・中厚・厚物) | 4 |
インターロックミシン | 4 |
家庭用ロックミシン | 1 |
巻き縫いミシン | 1 |
電子鳩目穴かがりミシン | 1 |
電子閂止めミシン(カンドメ) | 1 |
シャツ穴 | 1 |
裾上げミシン | 1 |
ベルトループミシン | 1 |
ボタン付けミシン | 1 |
バキュームアイロン | 3 |
糸分け器 | 1 |
軟水セット(アイロン用) | 1 |
本縫いミシンだけで15台…!
ジーンズは1本縫うのにミシンが何台も必要なんです。趣味として縫うのであれば職業用ミシン1台あれば縫えることは縫えると思いますが、それで生活するとなると速さが求められるので本縫い1台じゃとても厳しいです。それがジーンズを縫うハードルの高さでもあります。でもDIに入居すればこれだけミシンがあるので大抵のものは縫えます。
これらミシンがDIにいる間24時間365日使えるんです。ちなみに本縫いミシンは縫製をする入居者にだいたい1台は割り当てているので、卒業するまではその1台と付き合っていきます。
縫製してる人ならこれがどんなに恵まれているか分かると思います。広い空間でエアコンが効いた環境で電気代まで込みで困った時はミシン屋さんも来てくれる…倉敷市有難う…。
ちなみに↓のミシン、電子鳩目穴かがりミシンと言ってジーンズなどのボタンホールを縫うためのミシンなんですが、一体いくらすると思いますか…?
過去にメーカーさんに聞いたことがあるのですが、定価で200万円するそうです。
創業したてでそんなの買えないじゃないですか。でもDIに入居すれば最初から用意されてるんです。初期費用を浮かすことができるんです。実際私もこっちに来た時は生活品以外はほぼ手ぶらでやってきました。将来買うとしても、高いし大きい買い物なのでまずはDIにあるミシンを使ってみてどんなミシンなのか、自分にとって必要なミシンなのか、時間をかけて設備投資の計画を考えることができます。
工業用ミシンのメンテナンス方法なんて普通は分からないですよね。でもミシンの修理やメンテナンスはDI担当のミシン屋さんがいるので聞くことができます。色々話を聞きながら良さげなミシンを頭の中で選別しておきます。そしてDIにいる間に仕事を請け負って事業が軌道に乗り始めたら徐々にミシンを買い揃える。それがDIの上手な活用方法です。
なんでこんなに工業用ミシンが揃えられるの?
コロナ前は県外の市議会議員さんなどがたびたびDIに視察にいらしてて、この工房の工業用ミシンの揃いっぷりに感心されていました。でも正直工業用ミシンを揃えるだけならお金を出せば揃うんです。DIのミシンも2000万円もあれば十分揃うんじゃないかと思います。ある程度の規模の自治体にとってはそこまで大きな金額ではありません。
ならば2000万円払ってミシンや機材を揃えたら児島以外の場所でも似たような施設が作れるか…というとそう簡単でもなく…。
まず、近所に工業用ミシンを取り扱うミシン屋さんがいるか、という点。ミシンが壊れた時、調子が悪くなった時、買い替える時、あるいは「これまでデニムを縫ってたけど次は伸縮性のある生地を縫わないといけない、そしたら途端に縫いづらくなってしまった!どうしよう!」そんな時に頼りになるのがミシン屋さんです。
ミシン屋さんがその地域に1人いてもダメなんです。例えばその方が高齢で引退されたら他のミシン屋さんをその地域で探す必要があります。遠方から違うミシン屋さんをその都度呼ぶのは大変ですから。そして大事なのはミシン屋さんと言っても家庭用ミシン専門のミシン屋さんじゃないことです。工業用ミシンは家庭用ミシンとは構造も異なります。工業用ミシンは上記のように色んな種類のミシンがあります。玉縁ポケットを縫う専用のものすごい高いミシンだってありますし、その工場で使うためだけに改造されたミシンもあります。その改造だってミシン屋さんがやります。せっかくミシン屋さんを探しても「俺こんなミシン触ったことないよー(汗)」なんて言われてしまったら途方に暮れます。経験豊かなミシン屋さんがいてほしいんです。
岡山には縫製工場がたくさんあります。当然それら工場ではそれぞれ懇意にしているミシン屋さんがいます。ミシン屋さんがいてくれるのは岡山の縫製業が盛んだからです。
そして工業用ミシンを使うようなニーズがあるか、という点。ミシンは使わないと錆びます。使ってるミシンほど長持ちします。児島はアパレルの産地なので縫製の仕事も全国から集まります。「ジーンズを縫うなら児島で縫ってくれる工場、縫い子さんを探そう」と。つまり縫製の仕事があるからこそミシンが使われます。せっかくミシンを買い揃えても誰も使わない、使うにしても年に数回、…という状況ではまさに宝の持ち腐れで維持できなくなってしまいます。
良いとこ③「立地」
DIはJR児島駅から徒歩2分程度の距離にあります。駅からすぐ!
駅から近い上に、駐車場も広々。お客さんを呼ぶのに苦労しません。
ちなみに私はインキュベーションにいる3年間は車を持たない生活してました。児島駅周辺はスーパーもあるしなんとかなります。どうしても必要なときは児島駅そばにあるTimesのカーシェアリングを利用してました。
良いとこ④「多目的ホール」
多目的ホールが使えます。多目的ホールとは工房のところにある広い部屋なのですが、ここで商品撮影や会議打ち合わせができます。
毎月一回1時間のインキュベーションのミーティングがあるのですが、この多目的ホールで行われます。
ブランドやってる方はよく商品の出荷作業で利用してますね。広々としたスペースでなおかつ1階にあるので作業が捗るそうです。
良いとこ⑤「2階が商工会議所」
DIは建物の1階ですが、2階には児島商工会議所があります。
私は起業するまで商工会議所という存在をよく分かってませんでした…がホントにお世話になりました。補助金の申請方法などビジネスに関することを相談できたり、地元企業の方を紹介いただいたりと地域のビジネスを活性化してくれる組織です。
その商工会議所が2階にあるんです。助かります。特に私のような県外移住者は知り合いが全くいませんでしたから、人の紹介で知り合うことがいかに重要か身に染みて感じました。私はDIを卒業する際、不動産の空き物件を探すのに時間がかかりました。工房として使えて店舗としても活用したい、できれば住居もあれば…なんて探しててもなかなか見つかりません。日本全国空き家が増えてると言われても、不動産に出ていない空き物件が結構あるんですね。そんな中、今住んでいる下津井の物件が見つかりました。それは商工会議所経由で紹介いただいた物件です。有難い限り…。
あと商工会議所は行政ともよく連携されているので、岡山県や倉敷市の方々と知り合うこともできます。
地元の方も商工会議所をよく訪れるんですけど、2階に行く途中でチラっとDIが見えるんです。なんとなくそこで顔を覚えてもらえる、という利点があります。
1人で工房に籠って縫ってても、ここまで色んな人とつながりを持てるチャンスはそうないです。DIにいる期間は人とのつながりを持てるボーナスステージだと思います。
良いとこ⑥「繊維の街、倉敷市児島にある」
岡山県は繊維産業が盛んです。その中でも倉敷市の児島はアパレルものづくりの業者が特に集結している地域です。アパレルのシリコンバレー。
その児島にいるのは縫製業者だけじゃなくて、ミシン屋さん、生地屋さん、資材屋さん、加工屋さん、裁断屋さん、刺繍屋さん、パタンナーさん、特殊屋さん、ブランドメーカー、仕上げ屋さん…等々。ポケットの玉縁を作る専門の業者さんもいるんですよ。車で移動できる範囲に色んな業者さんがいるので服が作りやすいんです。アパレルの情報も集まりますし、人の交流もあります。仕事の話したいなーという時に共通の話ができる人が多いのは嬉しいです。
産地なので仕事も全国から集まります。逆に言うと仕事が集まるから業者さんも多くて分業化されているとも言えます。
倉敷市は繊維の産地なので行政も繊維産業への理解があります。アパレル展示会のイベントを開催したり。これまでの歴史でいろんなアパレル関係の事例があるので、補助金や何かの施策でもアパレルを意識されてるなと感じることがよくあります。一般的に行政は前例主義と言いますが、アパレル関連の前例がたくさんあるのは色々物事を進める上でスムーズで助かります。
デニム商品をアイテムとして扱うのであれば、「岡山県」「倉敷市」「児島」という土地が持っているブランド価値の恩恵も受けます。ゼロからブランド価値を構築するのは大変です。例えば創業したてで名もないブランドのタオルよりも、「今治にある会社のタオル」の方がちょっと興味わくでしょう。企業や行政、業界の方々が時間をかけて築いた産地のブランド価値に感謝しつつ、起業者はそのブランド価値を上げるべく新しい風を吹かせていきましょう。
あと縫製業をするには音を出す機械を設置しなければいけないので、近所迷惑にならないか気になります。その点、アパレルの工場が多い地域なので比較的そういった仕事に理解がある方も多いのが助かります。東京のマンションの1室で縫製をするとなると下の階の人に迷惑かかりますもんね…。
良いとこ⑦「センター長&事務員さん」
DIにはセンター長1名と事務のスタッフさん4名がいらっしゃいます。スタッフさんはシフトを組んでいて、だいたい常時1名か2名事務室にいます。あ、↓の写真は事務室です。
事務室でセンター長に仕事の相談したり、スタッフさんとお話ししたり。1人で仕事してるとたまに話し相手がほしくなったりするんですよね。メンタルの安定になります。
荷物が届く時、自分が外出中の時もあるじゃないですか。そんな時事務室で一時的に受取をお願いしたり…助かります!細かいことなんですけど、こういうのの積み重ねで時間が生まれるんです。DIにいる間は人件費を抑えられるのもスタッフさんのおかげだと思います。
あと事務室にあるコピー機やFAXも入居してる間は使えます。無料で。でも無駄遣いはダメですヨ!
良いとこ⑧「24時間365日使える」
24時間365日使えます。ということでお盆はもちろん、年末年始も使えます。1年目2年目の大晦日は量産を縫ってたので、帰省せずにDIで縫ってDIで紅白見てました。
入居者1人1人には鍵とセキュリティカードが配布されます。部屋の入退室はそれを使います。ちなみにセキュリティはALSOK。すぐ隣のビルにALSOKの児島営業所があるので、何かあったらアラームが鳴って駆けつけてくれます。
私はよく朝まで動画編集してたりしましたね。夜2時か3時くらいになるとALSOKの警備の方が見回りにきてました。お疲れ様です。
良いとこ⑨「他の入居者さんとの刺激」
DIは全部で7室あります。入居する前は仲良くできるか心配でした。特に私は県外から移住したよそ者。心配でしたが、ふたを開けてみれば全く心配不要で、皆さん普通に接してくれました。入居者の皆さんそれぞれ歳も離れてるし経歴や分野が違ったり良い意味で距離感がありました。起業した者同士でしか共感を得られない大変さや体験談を聞けるのも有益ですし、何より共通の会話ができる人がそばにいるというのは有難いです。起業した皆さんは行動力のある方ですから話も嚙み合います。また、いろんな業者さんを紹介してもらえたり…。1人で籠って作業してるより知り合いが増えると思います。
全部で7室っていうのがまた良いんでしょうね。あんまり多すぎてもマンモス学校みたいになりますし、DIサイドとしても個々の入居者を見守りにくくなると思います。
良いとこ⑩「建物がキレイ」
↓が居室の前の様子ですが…どうですか?
綺麗じゃないですか?床もピッカピカ。これはどうしてかというと、午前中に掃除の方がいらして掃除してくれてるからなんです。もちろん居室と工房の自分のスペースは各自で掃除するんですけど、共有スペースに関しては掃除してくれるんです…有難うございます!
廊下を掃除してくれると気持ち良いのはもちろんなんですけど、お客さんを呼びやすい!
トイレも掃除してくれます。キレイです!
お客さんが来た時に掃除が行き届いていると印象良いですよね。トイレを管理するには掃除もそうですがトイレットペーパーや芳香剤を補充したり、時間と費用がかかります。つまりそういったこともDIが代行してくれてるんです。これもやっぱり入居者の時間を生んでいるし、市の税金を使って補助してくれてるということなんです。
あと年に2回全館清掃があって、専門業者さんが入って部屋の荷物を全部出してワックスがけしてくれます。これはマジでピカピカになります。
良いとこ⑪「入居志願者が少ない」
でも…入居志願者少ないんです(´;ω;`)ウゥゥ
ここまで聞いていかがですか?「起業するならここ入りたいなぁ」って思いますよね?よね?!
なんで?って思いますよね?私は絶対全国から入居希望者が殺到してもおかしくない施設のはずって思ってます。
児島産業振興センターのHPで入居者を募集してたり市の広報冊子に募集記事を出したりしてるんですけど…。応募締め切り日が過ぎたなぁと思って再度HPを確認したら締切日が延長されてたり…。自己PRが苦手なのかしら…。県民性…?
ただ、この入居希望者が少ないというのは私にとってはプラスに働きました。私みたいな素人が起業しようと言えば、恐らく入居希望者が多い東京のインキュベーションでは審査で落ちていたことでしょう。
良いとこ⑫「児島フェス(繊維祭)に出店できる」
児島では毎年春に児島フェスが開催されます。昔は繊維祭(せんいさい)と呼ばれていて、アウトレット品などが売られます。
2020年から21年、22年はコロナで開催されていなかったのですが2023年春は久しぶりに開催されます。
この児島フェス、2日間開催されるのですが児島駅周辺いたるところでアパレルや飲食などのお店が並び、来場客数も2019年はなんと19万人…。
当然出店費用も高いわけなんですが、DIは建物の前で独自にテントを出すのでDI入居者は無料で児島フェスに参加できるんです(!)。売り上げの何パーセントをDIに払う必要もありません。お祭り当日はDIの建物で「ジーンズの裾上げサービス」をやっているのでどこかのお店でジーパンを買ったお客様が、DIに向かう途中でテントの存在を知り入居者たちの商品を知ることができるんです。
私自身もかつて参加しましたが、児島フェスに出店することで売り上げはもちろんブランドの認知度や活動内容を直接一般の方に知ってもらえるメリットを実感しました。セレクトショップのバイヤーさんなんかもいらしてたりします。児島のDIならではの特徴ですね。
メリットばっかり書いても胡散臭いので、デメリットも考えてみました。ただ、これは児島のDIに入居するデメリットと言うか一般的なインキュベーション共通のことが多いです。参考になれば。
デメリット①「入居期間が3年」
インキュベーション施設にはたいてい入居期限があります。DIは3年ですが、どこもだいたいそんなものです。3年経ったら出ていかなければなりません。
永遠に入居できるのであれば入居したかったですが、やはり税金が投入されているのでずっと特定の事業者が恩恵を受けるのは宜しくないでしょう。そして人の入れ替わりがないと地域全体のビジネスが活性する効果が薄れてしまいます。
ただ、「3年以内にある程度事業を軌道に乗せて出ていかなければいけない」というルールはある意味優しさでもあると考えます。起業するのに向いてる人、向いてない人はいます。向いてなかった場合、3年かけても結果を出せない、あるいは出す気配もないのであればダラダラと安い家賃で事業を続けさせるのは起業者本人のためにもなりません。
方針転換して就職したとしてもきっと起業の経験は活きるはずです。そういう経験をさせてくれたと思って感謝したいところです。
デメリット②「煩わしさ」
インキュベーションに入居すると人とのつながりが増えます。それはビジネスにとってプラスに働くこともあるでしょうが、日によっては静かに作業に集中していたい時もあります。そんな時に賑やかな来訪者がやってくると、うわーんとなってしまうこともあるでしょう。まぁそういう時は時間をずらして作業するか、外でできる作業なら外でやるか、自分でコントロールできるならそうしたいところ。
あと、市のイベント等で協力を求められることがあります。
煩わしさを感じるかもしれませんが、入居の条件として
- 市内産業や地域の活性化に寄与する活動に積極的に参加すること。
- 施設運営やイベント・セミナー等へ参加・協力すること。
この2点はしっかり利用条件に含まれています。倉敷市の税金を使って安い家賃で借りさせていただいているという自覚があったので、私は極力協力していました。
いや具体的になにするのって話なんですけど、市のイベントで起業者としてお話ししたりメディアが施設に取材にきたらチラっと出演したり…そんなもんです。頼まれ方は人によりますし、仕事の負担になるような頼まれごとはありませんでした。そういうのを楽しめる方が入居するといいですね。
デメリット③「高い」
信じられないんですが、家賃が高いという意見も聞きます。ただこれは学生さんの話。仕方ないですよね。月2万円は学生さんにとってみたら高いでしょう。でも事務所利用できる物件の家賃相場を確認してください。普通この物件をこの金額では借りられません。
アルバイトで月2万円稼ぐ方が得か、起業して月4万円利益出す方が得か。学生さんは学業もありますからアルバイトの方が効率的かもしれません。逆に起業した方がアルバイトよりも効率的に稼げるかもしれません。それは個々の能力と考え方次第です。
あ、友人数名で1室を借りて家賃を折半すればもっと安く借りられますね。その際は代表者を1名決めておく必要がありますが。
ちょっと脱線しますが、下記動画で企業の社長さんが教育について述べられています(15:37~)。
”教育”って何でしょうか?教育っていのは失敗の避け方とか責任の避け方という要領いい生き方を教えるハウトゥーでしょうか。全然違いますね。教育というものは死に至らない失敗を安全に経験させるものだったんです。
なるほど…。この社長、過去に2億円の借金抱えてしまって飛行機に乗る時も「事故で落ちてくれないか」と願ってた時代もあると動画内で仰ってるので矛盾してるかもしれませんが…。でも失敗で直接命を取られたわけではないですし教育の定義としてはひとつアリと思います。
学生時代にDIで起業する、というのはここでいう死に至らない失敗を安全に経験させてくれるチャンスでもあります。もちろん失敗してもいいや精神でチャレンジするのはどうかと思いますが、安全に低リスクでチャレンジさせてくれるという恵まれた環境があるのであればそれを活かさない手はないと思います。
学生のうちに貴重な経験ができるというのは、その後の人生への影響力を考えたらもう値段じゃないと思います。
デメリット④「同業者と一緒にやるのがイヤ」
起業する人はもともと単独でやりたい人だったりします。なので、DIに入って同業者と顔を合わせるのが苦になるタイプの方もいます。それはもう仕方ありません…。そもそもそういった方はDIに応募しませんが…。
デメリット⑤「地方」
当たり前ですけど東京や大阪に比べると田舎です。でもど田舎というわけではなくて、実際に来てもらうと分かるんですけどDI周辺は整ってて暮らしやすいですよ。あくまで個人の主観ですが、生活面で言えば埼玉県北部に暮らしてた時とそう大差ないです。
最近は児島駅周辺にフィットネスジムやラーメンチェーン店がオープンしたり、近々高層マンションも立ちます。開発が進んできてる地域です。
それでもやっぱり東京や大阪と比べればイベントに集まる人数もこじんまりしてますし、いわゆるインスタグラマーのようなオシャレな人も少ないです。逆にそこに私は居心地の良さを感じますが。有名人がゴロゴロいるなんてことはありませんし、若い人だと都会の刺激の多い場所で自分の実力を試したい、っていう気持ちがあるかと思います。そういう意味だと地方への移住を伴う起業は抵抗あるかもしれませんね。
でも今の時代、どこにいてもSNSで都会の情報は比較的分かりやすくなってますし、逆に地方であっても情報発信がしやすいです。そして人の出会いもネットである程度つながる世の中です。昔ほどのデメリットではないかと。
あと岡山に移住するということで東京で起業するよりも1つ色がつくメリットがあります。ブランドに個性を追加できるということです。人数が多い地域にいるとそれだけ希少性は減りますから。あと、岡山に移住すれば「●●県からやってきた」という個性が1個乗っかります。合計2個の個性が乗っかるんです。「自分、個性ないなぁ…」と思ってても実は移住すると自動的に個性が追加されるんです。
デメリット⑥「全員が成功するわけではない」
これ起業自体に言えるんですけど、当然全員が成功できるわけではありません。成功の定義にもよりますが。入居したけど合わなくて退去した事業者もいますし、売り上げが伸び悩む事業者もいるでしょう。具体的な数字は分かりませんがDIの卒業生の何%かは現在事業を継続していないんじゃないかと思います。ただそれはDIのせいではなく、起業のリスクです。むしろそのリスクを低くしてくれるのがDIです。
ただ、
売り上げが伸びない。どうしよう…。
という悩みを持つ起業者はいると思いますが、
あの時会社に居続けていればよかった…。起業なんてしなきゃよかった…。
という人には出会ったことがありません。DIに入居してるしてない関係なく、です。たまたまそういう起業者に出会わなかっただけかもしれませんが。他責思考の人は少ないように思います。
個人的に思うのはDIで起業するなら大きな借金も抱えにくいし、廃業しても命を取られるわけじゃないし、再就職してもいいし、また別の事業で起業してもいいし、いくらでも道が残されているという意味でむしろリスクが低いと考えます。
私の知ってる範囲だと、縫製で起業した人は昨今の国内の小ロット縫製需要の高まりもあって、仕事に困ってない人がほとんどじゃないかと思います。現在の縫製業は比較的廃業リスクの低い業種だと思います。
DIではできないことも一応書いておきます。
まず先述したように住居としての利用はNG。移住される場合は別途住居を契約してください。
あと副業としてのDIの利用も難しい模様。入居できるのはあくまでも本業として起業した事業者。今後どうなるかは分かりませんが、現時点では難しいです。
仮に将来ルール変更があって副業としてのDI利用がOKになったとしても
私は本業がありますが、副業でアパレルやりたいんです。DIに入居したいです
本業でアパレルやりたいんです。DIに入居させてください
このAさんBさんが1部屋に対して同時に応募してきたら、Bさんの方がポイントが高くなるのは仕方ありません。
恐らくAさんは平日昼間働いて、勤務後にDIに来て仕事する生活になるでしょう。そうなるとDIのスタッフさんや児島商工会議所の方、倉敷市役所の方、他の入居者などと顔を合わせる機会も少ないでしょうし、体力的にその生活を2年3年続けられるか分かりません。
一方Bさんは1日中DIで仕事します。DIを有効活用してくれそうなのは明らかにBさんです。
ルール的にOKになっても、入居の応募者が増えれば増えるほど副業での利用が難しくなるはずです。
いかがでしょう。入居してみたいと思われた方、いらっしゃるでしょうか。
入居するにはまず児島産業振興センターに問い合わせてみましょう。起業内容の質問や施設見学の日程など相談ができます。
入居手続きの流れについてはHPに詳細が載ってるので下記ページをご参照ください。
入居するには審査にクリアする必要があります。
事業計画書等を提出して事前の書類審査を行いますが、ここで落ちるケースはあまり聞きません(多分)。書類審査がOKであれば面接に臨みます。私の時(2017年)は倉敷市役所の方や地元金融機関の方々の前で自分のやりたいことなどを口頭でプレゼン(説明)しました。審査結果は当日に発表されました。
事業計画書を書くのは手間で時間がかかるかもしれませんが、集中して書けばどんなに遅くても1週間もかからないでしょう。ネットで探した手本を見ながら自分のやりたいことを記入していけばいいです。最初から完璧に仕上げる必要はないので、一度ラフな状態でDIのセンター長に見てもらうのがベターです。集中したら1週間もかからない作業ができるかどうかで自分の本気度が分かります。
面倒だけど時間できたら事業計画書を書いてみようかな
半年後…
あれ、まだ書いてないけど…もういつの間にか半年経ってた
こういうケースは往々にしてありますが、これは起業に対して本気ではないということです。行動というのは正直な自分の本音です。現在の環境の方が快適ということですから、この場合は無理して起業する必要はないと思います。
入居審査をクリアしやすい人
気になる審査のポイントですが、これは私は知る由がありませんので全くの個人的主観という前提で読んでいただければと思います。
審査ポイント①「事業に将来性があるか」
まず事業に将来性があるか。「定年退職したので趣味で服を作りたい」が動機だと事業性は薄いですし規模の拡大が見込めないので地域企業にも恩恵がありません。それから事業の分野がレッドオーシャンで差別化が難しいと、大丈夫かな…と思われます。他に将来性を感じる応募者がいればそっちを優先したくなります。
ちゃんと事業として ある程度の規模拡大が見込めて従業員の雇用もできて、倉敷市の税収にも貢献できそうであればポイント高いです。
審査ポイント②「地域貢献が見込める」
DIで起業することによって例えば後継者不足の職人を増やすことができる、あるいはそういった職人の仕事が増えるなど社会貢献が見込めるのであれば倉敷市の税金を投与する価値があると判断されます。
審査ポイント③「施設や産地を有効活用できる」
「DIでスマホのアプリ開発をしたい」という方がいらしたら、それは自宅でもできますねという話です。わざわざ家賃を払う必要はないです。「新しい今治タオルを作りたいんです」であれば今治で起業した方がいいです。児島の土地でDIの設備だからこそできる起業の方がポイント高いです。
審査ポイント④「協調性がある」
DI全7室の入居者やDIスタッフの方々、商工会議所、倉敷市等とトラブルなくコミュニケーションができるかどうか。施設の利用に関して自分以外も利益になるような言動・行動ができるか、倉敷市からお願いされたことに対しても可能なであれば協力できるかor誠実に対応できるかどうか。
学校のような共同生活とちょっと違うのはお金が絡むということ。お金が絡むと感情的にもトラブルになりやすいものです。そういったトラブルが3年間続くのであれば本人にとっても周囲の人にとっても悲劇です。そういったことが起こりにくい人なのかどうか。
人間性については面接の間だけ頑張って取り繕うことはできます。しかし合格していざ入居して3年も顔を合わすことになればそれが口だけだったのかどうか少しずつ素の面が周りに伝わります。完璧な人間はいませんので良い面もあればそうでない面もあるでしょう。案外協調性がなくて社会不適合者気味だったとしても起業したら覚醒する方はいらっしゃいまし、そういう方の方が前例に囚われず革新的なことを成し遂げたりします。問題は協調性に欠けるのがどの程度なのか、そしてそういった人間関係のトラブルを冷静に根気強く対処できる人なのか。DIに入居する以上、1人でやっていくわけではありませんから経歴やこれまでの行動も含めて判断されます。
ちなみに行動はその人の意志や適性や本音、つまり本質が現れていて信憑性が高い情報です。行動と言っても、やってきたことだけじゃなくて、服装や髪型、相槌の仕方、学生時代に選んだ部活動、周囲の方の顔ぶれ等あらゆることが行動と関係してます。
審査ポイント⑤「情熱」
やる気があるかどうか、本気かどうか。現実逃避が目的じゃなくて本当に起業してまでやりたいことなのか。当たり前すぎて差別化にはならないですが大事なポイントです。そしてもっと大事なのは継続性があるか。人は熱しやすく冷めやすいもの。学校でマラソン大会があった直後は「明日から毎朝10キロジョギングしよう!」とやる気に燃えても、しばらくして期末試験があったら「やっぱりマラソンより勉強の方が大事だよな、明日からドリル頑張ろう!」と興味が移ってしまいがち。
それと原理は似ていて、起業する時はやる気で燃えてたけど半年も経ってくるとだんだん現実が見えてきて足が止まったり他に興味が移ることもあるでしょう。そんな時に移住を伴ってたり、家族を養わなきゃいけないとか、借金があるとか、リスクを負って起業する人はそういった局面でも生きていくために必死に喰らいついて事業を続けるでしょう。長く続けることが必ずしも正しいわけではないですが、大成する人は長く続けた人。そしてDIが入居者を選ぶ観点で考えれば、税金を使うわけですから継続的に情熱を持って事業を進めてくれる人に入居してもらいたいのは当然のこと。継続力があるかどうかは経歴や長く続けている趣味があるかどうか等から判断されるでしょう。
以上勝手に5点を挙げましたが、別にこれら全てを満たさなくても合格できます。私も偉そうなことを言えるような人間ではないですがそれでも合格をいただきました。ただしそれは入居応募者が少ないからであって、今後応募者が増えて競争率が上がったら上記のポイントを踏まえないと合格しにくくなると思います。
あと個人的に追加したいポイントとしては、自宅に近い方がベターです。遠いと車の行き来で疲れます。最初は大丈夫、私ならできると思ってても、3か月、半年と経ってくるとだんだん億劫になって足が遠くなってきます。家で仕事した方がいいじゃん、になります。ただこれは全員ではありません。意志を強く持って遠方から通ってる方もいらっしゃいましたので。でも毎日の車の運転で集中力を消費してしまうのは事業を進めるにあたってあんまりプラスには働かないんじゃないかと個人的に思ってます。
どこで募集情報が分かるの?
募集情報は↓の児島産業振興センターのHPや倉敷市の情報誌などに掲載されます。移住も予定してる方にとってはHPでチェックすると思います。
入居者募集の案内はHPに”突然”登場します。↓のように、トップページの「ニュース&トピックス」に表示されます。
毎日トップページをチェックしに行くのは面倒ですよね。RSSフィードが用意されているので、ちょっと高度ですが「http://www.kip-center.jp/feed/」を登録して更新通知が届くようにしておくとよいと思います。
そして募集案内が出てから事業計画書を書くよりも、案内が出る前から事業計画書を用意&完成しておいて「今度空室が出たら応募したいんです」と事前にDIに問い合わせて顔を売っておくのが吉です。
ちなみに、HP上には次の空室が出るスケジュールは公表されてません。「毎年3月になったら空室が出る」みたいなこともありません。今の入居者が卒業するタイミングなので、その入居者次第で完全ランダムです。ただ、3年間の入居期限は決まっているので、「多分遅くとも●月までには空室が出るんじゃないか」くらいの予想はできます。直接振興センターに問い合わせれば教えてくれるかもしれません。
(追記)空室情報のメール通知サービスを用意しました。無料ですので下記リンクからご登録ください。
入居を迷ってる方の声
入居を迷っている方でよく聞かれる声をご紹介します。
今の仕事の区切りがついたら入居したい
分かります。ただ、DIの空室が出るのは不定期です。仕事の区切りがついたタイミングで空室があるかどうかは不明です。仕事に区切りが付きそうになって応募しようと思ってもその頃はタイミングが悪くて1年近くずっと満室のまま、という可能性もあります。そしていざ空室が出た頃には応募者が多くなってしまって審査に落ちやすくなる可能性もあります。そうこうしている間にも時が流れて人は年を重ねていきます。焦らせるつもりはありませんが、自分の好きなタイミングでいつでも入居できるわけではありません。
起業は興味あるけど、今は仕事が忙しくて自分が抜けられる状態じゃない
きっとこういうケースがほとんどなんだと思います。仕事が忙しかったり、家族を支えてたり、色んな事情を皆さん抱えています。ただ、それでも起業する人はします。人生は選択の連続です。「忙しいから起業しなかった」というのも自分が選んだ道です。起業には向き不向きがありますから、それで納得できるのであれば問題ないです。起業するにせよしないにせよ自分が選んだ道として納得して、死ぬときに後悔のないように生きたいところ。
夫婦で共働きしたいけれど、アルバイトは時間が限定されるので起業したい
これは全然ありというか実際そうやって独立起業された方もいらっしゃいます。縫製工場で働いていた経験を活かしてDIの設備を使ってガンガン縫って稼いだり、DIで縫った服をネットなどで販売されてる方もいらっしゃいました。縫製業なら将来的に在宅ワークも可能ですし。共働きならリスクも分散できます。働き方は色々なので、全然ありだと思います。
私 人見知りなんだけど、DIの他の入居者とうまくやっていけるかしら
本当に人と話すのが苦手ならまず起業しようと思わないですし、うまくやっていけそうかどうかは入居審査で判断されます。すでにいるDI入居者もそういう審査をクリアしてきた人たちなので、そんなに心配はないと思います。実際入居したら皆さん自分の事業がありますので、そこまで密な関係があるわけではないですし干渉されることもありません。
逆に言うとそういう心配をされる入居希望者は当然いらっしゃるので、いざ入居したら自分の後に入ってくる新しい入居者とうまくコミュニケーションするように働きかけるのが吉と思います。
2023年6月現在の入居者とセンター長の写真です。
最近は工業用ミシンを使って自分で縫う方が増えてる印象です。せっかく工業用ミシンが揃ってる施設なので、良い傾向だと思います。
DI卒業後は自身で工房や事務所を構えて事業を継続します。
最近(2023年2月)DIを卒業した方は、児島のジーンズストリートに出店しました。
起業した人全員が成功されるわけではありません。ですが、縫製されてる事業者の方は生き残りやすいとも感じます。
少しずつ県外からの移住してDIに入居する方も増えてきました。現に私は茨城県からやってきましたし、
2021年には千葉県の現役大学生が児島に移住してDIに入居して起業しました。
2022年には男性が滋賀県から移住してDIに入居されました。
現在の入居者一覧は↓のリンクからご確認ください。
私はDIに入る前、実は東京での起業を考えてました。東京の浅草で物件を借りてミシン用意して今の店舗兼工房を実現する予定でした。ただ、銀行の融資が下りませんでした。融資担当の方から
アパレル業界で働いた経験が一切ないのに起業するのはオススメしません。一度そういう会社で働いてみてはいかがですか?
と諭されました。
今思えば全くそのとおりで、間違って融資が下りて東京で起業してたら、恐らく1年も持たずに廃業していたと思います。
起業しようという人間は夢見がちで、多少無茶な選択だったとしても
自分ならなんとかなる
と思っちゃうんです。起業する人ってリスク感覚のネジ外れてるんです。
でも結果として岡山に移住してDIに入居できたわけですから、あの時融資を断ってくれた銀行の方には今でも感謝しています。
念のために書いておきますが、決して起業を勧めているわけではありません。ただ、もう既に起業しようと決意しているのであればここの施設は是非是非オススメです!
ちなみに児島産業振興センターからPRを依頼されたわけではありません!卒業生として勝手にPRしただけです!以上です!
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