縫う時間を測るメリット

太郎です。岡山でGジャン縫ってます。

前にGジャン1着縫うのにどのくらい時間かかるか、測ったことがありまして。

裁断からボタン付け、糸摘みまでして2時間31分16秒。

こういうのを何回かやったんですけど、この縫ってる時間を測るのってすごくいいな、と思いました。これまでもなんとなく時計のストップウォッチ機能で時間測ってたりはしてたんですけど、エクセルにまとめて平均値をとるところまではやってなかったんです。

それをやってみたんです。ということで、時間を測るメリットを整理してみましたので紹介いたします。

メリット①「作業時間の見積ができる」

当たり前なんですけど、1つ1つの工程でどのくらい時間かかるか分かるので作業見積りがしやすくなります。1日に何着縫えるか、オーダーが重なった時も作業スケジュールが立てやすくなります。当然生産性の良い日悪い日もあるので平均値を把握しておくっていうのはスケジュールを立てる時にすごく助かります。

メリット②「調子の良い日悪い日が分かる」

作業の平均時間を把握しておくことで、体調の良しあしが分かります。あ、今日集中できてないな、とか。前日お酒飲んでたからかな、とか。

メリット③「縫い直しがあると時間がかかることが体感できる」

縫製の経験が上がると縫うスピードが上がるんですけど、それって一番大きいのは縫い直しが減ることだとよく言われます。縫う3倍縫い直しは時間がかかるとも言われます。で、実際そうです。それが分かるのが測られたタイムを見た時です。「ホントですねー」が感想。実際に数値で見ないと刺さらないんですよね。

で、人にそれを教える時も「そう言われてるよ」と伝えるよりも「自分がポケット縫う時は通常1分だけど、縫い直しがあった時は3分かかったよ」と実体験を伝えた方が説得力が増します。

メリット④「技術の上達を感じられる」

これまで縫うのに半日かかってたアイテムが2時間で縫えるようになった!ってなったら成長を感じられるじゃないですか。嬉しいじゃないですか。でもその2時間まで到達したら、すぐに1時間まで短くなるかと言ったらそうでもなく。ある程度の速さになるとそこから先の成長は僅かだったりします。100m走の記録が0.1秒縮まるのが大変なのと似てます。

初心者の頃と比べるとそんな劇的に上達することが少なくなります。トータルで30秒早くなった、とか1分早くなってても体感では分からないものです。なので飽和状態に達すると成長が感じられにくくなるんですけど、時間を測っていれば「あれ?成長してないと思ってたけど1分早くなってない?」とちゃんと成長に気付けます。それってモチベーションアップになります。

技術の上達って体感では理解してて、あーなんとなく昔より早くはなってるし身体も苦痛を感じなくなってるーぐらいには分かるんです。でもその体感だけど日によって調子もあるから、確信には至らなく。仕事を辞めてしまう理由のひとつは成長が感じられないがあると思います。自分の成長を見つける方法としての「時間を測る」、ありだと思います。

メリット⑤「効率化の効果が分かる」

効率アップの工夫の効果が秒単位で分かります。たとえばミシンの配置を変えたとか。裁断の道具を変えたとか。それによって作業時間がどれだけ減ったか。逆に良いと思ってした工夫が大して効果ないことも分かったりします。このとき1工程ずつ時間を測ってないと、微細な効果は全体の誤差に吸収されてしまいます。なので1工程ずつ測るのがベター。

ちなみに私はそこで気づいたんです。整理整頓が作業効率に影響を与える。整理整頓しておけばボタンや糸などの資材や道具を探す時間が減りますし。逆に整理整頓や掃除が行き届いてないと、床にホコリが溜まって製品が床に付いちゃった時そのホコリを落とすのに時間がかかっちゃいます。細かいんですけどそういうのって如実に作業時間に影響するんですね。それと、作業台の上に物が散らばってるとそれで気が散っちゃったりするんです。気が散るっていうことは集中力を消費しちゃってるんです。1日で使える集中力は有限だと思ってます。集中力の量イコール生産性とも言えます。そんな貴重な集中力の消費を整理整頓することで節約することができるんです。

メリット⑥「集中スイッチが入る」

よーいスタート!と自分に言い聞かせて作業をすると集中できます。途中コーヒー休憩でもしようかな、なんて気持ちにもなりません。結果効率アップになります。

最後に

作業時間を測るなんて製造現場では当たり前にやっていること。でも個人で縫ってると、面倒くさかったり億劫だったりするんですよね。その都度タイム測ってメモるのはやっぱり面倒ですし。なのでこうやってメリットを洗い出すことで時間を測るモチベーションを上げようかと思いました(自分の中で)。

縫うアイテムが頻繁に変わる場合は定量的なデータも取りにくいでしょうけど、共通性の高い縫い方だったり、作業を始める前のルーティーンであれば測る意味はでてくると思います。

成長の積み上げを続けることでいつのまにかクオリティが上がっているというのは縫製に限らずあらゆる世界で共通していること。その積み上げを助けてくれる、作業時間を測るという習慣。良いですよね。

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