AIに取って代わりにくい仕事、縫製業

太郎です。岡山でGジャン縫ってます。

2018年の週刊現代の記事で”これから給料が「下がる仕事」「上がる仕事」全210職種を公開”というのがありました。

その記事の中で、給料が上がる職種の第一位が縫製工でした

あれから4年が経ちました。記事に書いてあるような状況になりつつあると感じます。一時的かどうかは分かりませんが、縫製の仕事が国内に流れて縫製工場は仕事に困っていない状況。物理的に引き受けられないのでやむなく仕事を断っているという話も聞きます。職人の高齢化で廃業というのはありますが、仕事がないから廃業というケースは少なくとも縫製工場では聞きません。

この状況が続けば自然と縫製工の賃金は上がっていくんじゃないかと期待しております。

AIに代替される仕事

基本的には人にできることは機械にもできるというのが私の仮説。化学伝達物質のやりとりが脳の動きの実態だとしたら0と1の信号で計算する今のコンピュータはまさに脳そのもの。ただ、AIの発展で人間の仕事が奪われるんじゃないかという不安もありますよね。個人的にはAIに代替された未来もまたアリだとは思ってるのですが、10代の学生さんや若い人にとってみたらせっかくこれから仕事を選ぶ段階でわざわざ将来AIに代替されるような職種を選びたくない、というのは理解できます。

先日AIが描いた絵をTwitterで見ました。凄いの一言。グラフィックはもうここまできてるんですね。

グラフィックのようにパソコンの中だけで完結するような仕事から徐々にAIに代替されると予想します。それも一気に、じゃなくて徐々に。事務作業であっても全部の仕事がAIになるわけではなくてデータ入力とか見積の計算とか代替しやすい作業から自動化されます。というか既にそうなってます。すると、これまで3人チームで回していた事務員が2人でも回るようになります。結果として余った1人の椅子が必要なくなり、1人分機械(プログラム)に代替されたことになります。

そんな感じで、徐々に徐々に代替されていきます。全部は無くならないかもしれないけれど、求人が減れば競争率が高くなり、給料を高く設定しなくても応募者が現れる状態になります。

アパレルで言うと型紙作成はAI化されがいのある作業の1つだと思ってます。プログラミング自体もノーコード化など、どんどん進化してます。プログラミングが簡単になる、安い量子コンピュータが発売される…などなどIT技術の進化が進めば進むほどAI化・自動化されやすくなります。ある分野で成功した自動化が他業種でも応用できる、なんてこともよくある話。そしてAI自身が「次に自動化しやすい作業はないかなぁ…」と探しはじめたら型紙作成はターゲットになりそう。

縫製業はどうなるんだろう

縫う仕事はAIに奪われるのでしょうか。ドラえもんみたいな汎用的なロボットが現れたら奪われるかもしれません。でもドラえもんが現れたらそれは全仕事が機械で代替可能ということになりますし、だいぶ先の話でしょう。

あ、縫製は縫製でもニット縫製に関しては島精機製作所のホールガーメントがだいぶ自動化を実現していますので、ここでは布帛の縫製について考えてみます。

縫製業が機械に代替されるとしたら順番はだいぶ後ろの方だと思います。部分的に機械化・自動化はされているでしょうが、どうしても人の手でしか縫えない場所はあります。例えばGパンの小股(ファスナーがあるとこ)をロボットに縫わせようとしたら…できるんでしょうかね。既にそういうミシンがあったらごめんなさい。でも人の手で縫ってるところがほとんどだと思うんです。

代替されにくい理由の1つは、手先を使う作業はロボットに代替されにくいということ。複雑すぎて開発が大変。プログラムだけでなく物理的なパーツやデバイスを用意しなきゃならず、さらに糸の太さや生地の厚みに合わせて調整しながら縫わないといけません。想像しただけでも大変そう。

理由のもう一つは、利益がでないから。開発に時間とお金をかけるくらいなら人に縫ってもらった方が安上がり。お金が回らない取組は産業として発展しません。

自分が今やっている仕事というのは思い入れがあるのでこんな面倒な作業はAIに代替されることはない、とついつい思ってしまうもの。でもひいき目に見ても縫製業は…難しいんじゃないかと思ってます。大量生産がしにくい時代になったので、小ロットで多品種を縫うようになったらますますロボットよりも人間の方が柔軟に対応できます。少なくとも現時点では。

ちなみに以前、自動でTシャツを縫ってくれるSewbotというのがありましたが…あれからどうなったんでしょう。

AI化、ロボット化が進んだ未来

農業ではロボットやAIによる自動化が進んでいて、建築でも3Dプリンタで建物が作られ始めたとか。私個人的には自動化って好きだからワクワクするニュース。ただ、自動化が進んだりツールが進化すると効率化の方向に進んでいくので、似たものばっかりになるんじゃないかという心配もあります。

初音ミクが登場した時、機械が歌ってくれるということでだいぶ人気になりましたが、結局ある程度の規模で飽和しました。感情に関わるような芸術の分野は代替されにくいんでしょうね。

AI・ロボット化で服づくりも少しずつ自動化されることになるかもしれませんが、人の感情に関わるパーツ・作業・サービスは自動化されずに人間が担っていってほしいと思います。

なんだかまとまりませんが最後にメッセージ。

10代の学生さんや若い方、縫製業はAIに代替されにくいと思います。そして服は衣食住の1つです。人が人である限り服のニーズはゼロにはなりません。是非職選びの一つとして候補に入れておいてくれれば、と願います。

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