アパレル起業に強いインキュベーション施設3選

太郎です。岡山でGジャン作ってます。

私は2017年に創業して、個人で服を作って販売しております。創業前はシステムエンジニアだったり学校の事務職員だったり、アパレルとは無縁の仕事をしてました。それがひょんなことから38歳で岡山県に移住してデニムを縫う仕事を5年しています。

そんなド素人がアパレル起業する上で大変大変お世話になったのがインキュベーション施設です。インキュベーションとは英語で「(卵などが)孵化する」という意味で、創業間もないまさにヒナの状態の起業者を支援する施設です。

実は全国各地に民間・公的機関のインキュベーション施設が存在します。ただしそれらインキュベーション施設はそれぞれ得意分野があって、科学技術だったりITサービスだったりいろいろあります。今回はその中でもアパレルに強いインキュベーション施設を勝手ながら3つ紹介いたします。

きっとこの3つ以外にもあるでしょうし、将来的に増える可能性は十分にあります。現時点で私が知っている3つ、とご理解ください。

施設①「台東デザイナーズビレッジ

東京都台東区にある台東デザイナーズビレッジ。略してデザビレ。小学校の校舎を活用した施設で、なんとも重厚感があります。部屋数も20近くあり、入居者同士の交流も盛んな印象。外からしか分かりませんが、なんか楽しそう。入居者同士切磋琢磨できますね。人的交流にもってこい。東京という立地も含めて非常に魅力的な施設です。

令和4年度の入居者募集要項を確認すると、家賃は月8,000~16,000円、共益費が21,000~27,000円なので合計すると29,000~43,000円。その他電気料金、ネットなどの通信費、ごみ処理費は各自負担で保証金が家賃の3か月分。東京のこの立地を考えればこの金額で事務所なんて普通持てません。

その他インキュベーションと同様に3年以内という期限付きではありますが、東京で刺激を受けながら成長するのに適した施設と言えます。人気なのも頷けます。

ミシンについては制作室にアームミシン1台と革すき機が1台あるそうです。

施設②「イデタチ東京」

東京都荒川区にあるイデタチ東京。2021年2月に開設された できたてホヤホヤの施設。個室オフィス4室、シェアオフィスが5席。私も2021年の年末にフラっと外観を観てきました。ちなみに建物の名前が「ふらっとにっぽり」。ただセキュリティで中には入れず、入口のガラスから中を覗くと入居者が使うホワイトボードの掲示板?が見えて何やらアイディア?やらメッセージが書いてました。入居募集してすぐ希望者が集まったそうなので新進気鋭な方が集まっているのでしょう。

建物の中にベビーロック社のものづくり工房「ベビーロック・スタジオ日暮里」があったり、建物自体が日暮里繊維街の通りに面していて、ファッションビジネスをするのに好都合な立地です。

家賃は個室オフィスが50,000円でシェアオフィスが10,000円で、その他費用負担ありとのこと。※2022年8月現在

台東デザイナーズビレッジもイデタチ東京も情報発信がちゃんとされているなぁという印象。東京の強さを感じます。

施設③「児島産業振興センター デザイナーズインキュベーション」

東京、東京と続いて岡山県です。岡山県倉敷市の児島地区にある児島産業振興センターのデザイナーズインキュベーション。何を隠そう私が3年以上入居していた施設ですので、自信をもって紹介できます。

この施設については別記事で詳細を紹介します…が、簡単に推しポイントだけ羅列します…。

「安い」

家賃が部屋の大きさにしたがって18,656円~34,951円。税込みです。で、共益費込み。ごみ処理費も込み。しかも電気代まで込み。バグってる…。

「工業用ミシンが多い」

個室とは別に共有の工房があって、工業用ミシンがたくさんあります。本縫い、オーバー、インターロックはもちろん、巻縫い、閂止め、ベルトループ、シャツ穴、ボタン付け…鳩目穴のボタンホールミシンまで。ボタンホールミシンはBrotherの人に聞いたら定価で200万するんですって。そんなの創業したての人が買えます?

工業用ミシンの豊富さで言ったら多分全国的にも随一だと思います。

「入居審査の競争率が低い」

前出の東京のインキュベーションは、募集がかかったらだいたい定員が埋まってる模様ですが、児島のインキュベーションは…。この間募集してたのに、募集期限過ぎてもまだ募集してる…!なんで?!こんなにオイシイ施設なのになんでみんな東京でやろうとするの!!(泣)

恐らく私が東京のインキュベーションに募集してたら落ちてましたね。アパレル業界で働いたこともない、服飾専門学校を出たわけでもない、実績のない素人が作った事業計画書なんて隙だらけ。そんな男が東京のインキュベーションの入居審査に通ったとは到底思えません。

「2階が商工会議所」

これ地味にでかいです。建物の2階が児島商工会議所なんです。特に私みたいな移住者は地元の人とのつながりがないので、孤立せずに仕事をいただけたり知人を紹介いただけたり児島商工会議所に助けていただきました。

まだまだありますが、まずはこれだけ。入居審査の経験など詳細は下記の記事をご参照ください。

児島のデザイナーズインキュベーションの公式ページは↓です。最新の募集情報なども下記ページをご参照ください。

番外編「浅草ものづくり工房」

東京都台東区にある浅草ものづくり工房。番外編としたのは、ここは洋服のアパレルというより革製品に強いインキュベーションだったので、迷ったのですが番外編とさせていただきました。浅草は革製品で有名ですよね。

私も岡山に移住する前に候補として一度施設を見学させていただきました。ここも台東デザイナーズビレッジと同様に学校の旧校舎を活用した施設。ミシン室も用意されていて、自分で手を動かしながらものづくりをする環境も整っていました。

2022年8月5日現在、募集している部屋が2部屋あって、それぞれ家賃が月10,000円と12,000円、共益費が18,000円と22,000円。合計28,000円と34,000円。それに電気料金、通信費、ごみ処理費等は各自己負担。保証金が家賃の3か月分とのこと(HPより)。

革でものづくりをしたい、というのであれば前出の3施設よりこの浅草ものづくり工房の方がオススメです。

最後に

創業当初というのはお金が出ていくばかりで、なかなか厳しい時期です。いわば飛行機の飛び立つまでのエンジンを全開に出力してる状態です。ここで固定費がかかるようだと、飛び立つ前に資金ショートで廃業してしまいます。インキュベーションはその固定費を減らしたり、飛び立つ手助けをしてくれます。

起業を勧めるわけではありませんが、もうすでに起業することを決意している段階なのであれば、失敗する確率を低くするために自分に合ったインキュベーション施設に入居することをお勧めします。

自分に合うかどうかは実際に建物を見学したり、他の入居者がどんな人たちか見てみるのが良いと思います。そしてインキュベーション施設には施設長やマネージャーなどと呼ばれる代表の方がいます。インキュベーションが自分に合うかどうかはマネージャーの人柄に依存する面もあります。いきなり応募することなく、機会があれば是非代表の方とお話ししながら後悔のない選択をしてください。

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