1着売れるごとに100円ずつ値上げ

太郎です。私、岡山でGジャンを企画・デザイン・パターン作成・裁断・縫製・販売しております。

2017年8月に創業して、今でちょうど5周年を迎えます。創業当初にやっていたこととして「Gジャン1着売れたら100円ずつ値上げする」があります。そんなことやってるとこあります…?少なくとも私は知りません。

うちのGジャンは全部で4種類あるんですけど、それらのどれかが売れたら4種それぞれ100円ずつ値上げしていったんです。例えば定番商品が「ダンジョデニムジャケット」なんですけど、1万円からスタートして1着売れたら10100円(税込)、もう1着売れたら10200円…。で、目標価格は26000円。

100円ずつ値上げした理由

なんでそんなことしたのかと言うと…

理由①「安さで売る」

まず創業したての個人の無名ブランドの商品を2万6千円も出して買おうとは思わないですよね。なので、まずは安さを売りにすることにしました。とはいえユニクロでは数千円でGジャンが売られてたわけですから1万円でも高いといえば高いのですが。

自分では2万6千円でも安いと思ってます。この生地でこの縫い方で袖丈まで調整できてカスタマイズもできて…。でもそんなの一般消費者にとってみたら関係ないですもん。2万6千円あれば家族でディズニーランド行けますもん。

理由②「今のうちに買うと安いです」と言える

徐々に高くしますと最初から宣言しておくことで「今のうちに買えば安く買えます」とオススメしやすくなります。値上途中がセール価格なんです。

理由③「最初はクオリティが低い」

創業当初はドが付く素人で、縫製はおろかアパレルでの勤務経験すらありませんでした。ですので服もそうですし梱包から何から何まで今考えるとクオリティが低かったです。自分自身もその自覚がありました。ただ、オーダーや仕事を頂く中で少しずつ商品の仕様を改善していくことでクオリティが上がるであろうことも確信していました。

だったら最初のクオリティで買ってくれた方にはそれに合った値段で購入いただくのが筋だと思いました。

私が中学生だった頃、プレステ1が発売されて。それはそれは高かったんですけど、本体の不具合も結構あったんですよね。で、発売後しばらくたって生産が安定してくると不具合も解消されるんですけど、値段も下がっていったんです。これっておかしいんじゃないかと。逆じゃないかと。発売当初の不具合が出るであろう状態こそ安値で、品質が安定したら値段が上がるのが筋じゃないかと。これプレステの話だけじゃないんですけど。商売上仕方ないのだとは思うんですけど、最初に買ったお客さんが報われないなぁとずっとモヤモヤしてました。

もし自分が商売することになったら、まだ何者か分からない商品を勇気を出して買ってくれたお客さんにはそれ相応のメリットがあるようにしたいと考えました。そのメリットが値段だったんです。

やってみての感想

2021年にようやく26000円に到達しました。160着売れるのに4年かかりました。4種類もあって4年もかかったんかい!って思われるかもしれませんが、その間 量産縫ってたり、色々あって時間かかっちゃいました。でも個人で縫った高額な服を買ってくれるってホントに有難いことなんです。まず普通の人なら1万円以上出してGジャン買わないでしょう。

創業当初は買ってくれるんです、身内が。ご祝儀としてだったり物珍しさで。本当に有難いのですが、それは長続きしないのは分かっていたのでいかに自分と縁もゆかりもない方が商品を買ってくれるかに注力しました。その方法の一つとしてこの100円ずつ値上げするのは効果的だったと今でも思ってます。

売れるたびに全オンラインショップの値段を修正するのは手間と言えば手間なんですけど、大した手間じゃないです。

「自動で1着売れるごとに***円値上する機能」をcreemaとかminneで実装してくれればいいのに。クラウドファンディングなら「早いうちに買えば25%オフ」みたいのありますよね。あれです。

このやり方が正解だとは思わないのですが、個人で服を作って売る人の販売手段の1つとしてはアリなんじゃないかと思います。有名人ならまだしも、そうでないなら売れませんもん、最初は。

あ、コートパンツはまだ値上継続中です!

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