サンプル縫いができる人が減ってるから、という3D CADのニーズ

太郎です。

個人的に前々から3D CADに興味があって、特にCLOというソフトの3D表現性がすごくて。

これが2Dの型紙に落とす精度や使い勝手まで向上したらシェアを伸ばすだろうな…と。

こういった3D CADのメリットって、

  • サンプルを何度も作成する時間・労力・材料(資源)・資金を減らす
  • 体型に合ったパターン作成がイメージしやすい
  • CGモデルが採用できるので、商品撮影にかかるカメラマン・スタジオ・モデル依頼料などの経費がかからない。
  • データのメタバース服やゲーム衣装への転用 ※これは想像

などあると思います。

それに追加してサンプル縫いを依頼しにくくなっている、というのもあるんだろうなと。

縫製工場を探している国内ブランドが多いと聞きますから、サンプル縫いも依頼できる人のキャパの競争が激しくなってる、と。

すると当然サンプル工賃は上がりやすくなります。その結果3D CADで作った方がお得、ということはあり得ます。というか海外だとサンプル縫いなしでいきなり量産してたりしないだろうか。SHEINのあのスピード感はサンプル縫いを省いている可能性も…?

ちなみにサンプル工賃が上がればサンプル縫いをしたいという縫製士さんも増えるはずです。そしてサンプル縫いができる頃には独立も視野に入れるでしょう。独立した縫製士さんがちゃんと生活してる様子をSNS等で見たら、他の縫製士さんも丸縫いできるように頑張って独立を目指します。

せっかく時間をかけて育った縫製士さんが独立されると縫製工場としてはつらいと思います。独立するよりも縫製工場で縫っていた方が良いメリット…例えば

  • 仕事の受注は会社が引き受けてくれて、縫いに専念できる
  • 給料が比較的安定していている
  • 福利厚生がある
  • 同僚とのコミュニケーションがある

などを縫製士さんに普段から意識してもらう必要があります。

もちろん技術に見合う給料水準に引き上げる必要もあります。工賃を上げるには上代も上げる必要があります。そしてその金額を消費者が受け入れる必要もあります。でも他に安く買える似たような商品があれば消費者はそっちを選びます。

工賃の交渉や上代の上昇がじわじわ進むソフトランディングと廃業や独立によるハードランディングが同時に起こって少しずつ業界の変化が落ち着いてくるのかな…と勝手に思ってます。

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