太郎です。
先日、鷲羽山展望台に行った時、二十歳前後ぐらいの男子たちに
すみませーん、写真撮ってもらっていいですか?
と声を掛けられまして。で彼らのスマホで何枚か写真を撮ってあげたんですけど、
ひさびさに他人から写真撮るのお願いされたなー、と思いまして。
30年くらい前は旅行先でこんな風に「シャッター押してもらっていいですか」ってお願いされること結構ありましたし、お願いすることもありました。写ルンですの時代です。
今だと手を伸ばしてスマホの画面見ながら広角で自撮りできるから赤の他人に声かけることそんなないじゃないですか。
それから、もし街で道に迷っても人に聞く前にGoogle Mapですよね。
そう考えるとホントに知らない人に話しかける機会って減ったなぁと思います。話しかけられる側の立場も減ったから、いざ話しかけられたら必要以上にドキドキしちゃいます。
あと昔は携帯電話なんてなかったから電話は基本家に1台でした。リンリーンって電話が鳴っても誰からかかってきたか分からないから、応対もちゃんと初対面の人として挨拶します。用件を聞いたらメモするなり「●●さんから電話だよー」と取り次ぐなりします。知らない人とコミュニケーションする訓練が全国の家で日常的に行われていたわけです。
でも今は各個人でスマホを持つ時代。電話は直接本人にかかってくるので電話の相手は基本知り合い。メモして人に用件を伝えることもありません。そういう環境で10代を育って社会人になって、いざ会社で電話番なんてすることになったら…大変でしょうね。もう電話番もないのかしら。電話番になったらなったでじき慣れるでしょうけど慣れるまでのギャップを埋める期間は長いしシンドイと思います。
これ別に若い人がコミュ力が低いって言いたいわけじゃなくて、今の時代に生きてる人は年代問わず多かれ少なかれコミュ力が落ちてるんじゃないかと思うんです。それも日本だけじゃなく世界全体で。
というのも、2020年にアンケートで質問する動画を撮ったんです。
児島と井原のデニムについて色んな人に尋ね聞いたんですけど、昔と比べて知らない人に話しかけるのに勇気いるなーと思いました。
学生時代はバイトでビラ配りとかやってたんです。ビラを渡そうとしても受け取らない方がほとんどだし、嫌そうな顔や態度をされることもありますし、受け取った直後にそのままポイって道に捨てられる方もいます。で、ダッシュでビラを回収してまたビラ配り続けるわけです。でも当時はそんなに苦にならなかったんですよね。もらってくれないのが普通だし もらってくれたらラッキーだしの精神で。自分も性格的にこういう営業活動的なの向いてるのかもなーとすら思ってました。
それでも2年前に上記の動画を撮った時は身体が動かないというか、躊躇しちゃうというか、一歩が出ないというか。なんでかなーと思いまして。もちろん年齢もあるんでしょうが、やっぱり知らない人に話しかける機会が減ったのも一つ大きいでしょうね。打たれ弱くなりました。傷つきやすくなりました。
そんなこんなできっと人類全体的にコミュ力が落ちてると思うんですけど、一方でYouTubeを見てると色んな人にアンケートしてる動画ってありますよね。昔はテレビ番組ぐらいしかそういうのやってなかったんですけど、今は誰でも発信者としてインタビュー企画やってたりします。中には英語で外国人に聞いてたり。コミュ力は鍛える訓練さえ続けていればいつでも鍛えられるので、そういう企画を実行してる人のコミュ力は上がっていくんだろうなぁと思います。
昔は半強制的にコミュ力を鍛える場があったからみんな平均的にコミュ力が高かったけど、今は自分から動いてそういったアンケート企画を実行するような人限定でコミュ力が上がっているんでしょうね。コミュ力格差です。
今の日本は昔と比べて楽で便利に生きようと思ったら楽させてくれる時代。良い時代ではありますが、個の能力が弱まりやすい時代とも言えます。「今の時代」というより、この傾向は人類が誕生してからずっと続いてるんでしょうが。それでもスマホが人間のコミュ力に与えた影響は特段大きいと思いますし、今後AIの発展で人間はもっと頭を使わずに楽に生きられるでしょう。認知症にも注意しないといけません。それもある意味進化と言えるかもしれませんが…。「楽に慣れて堕落しやすい時代に生きている」のを自覚しながら生活していきたいものです。