縫製工場の縫製士が独立する流れについて

太郎です。

縫製業をやりたい人って増えてるんですかね。なんとなくそんな雰囲気を感じます。

縫製工場で縫っていた方が独立する話もちらほら聞きます。

個人でも縫う仕事を得ることができるサービス

個人で縫製業を始める際にネックになるのが仕事を得る方法ですが、今では個人でも縫う仕事を得るサービスが見つけやすくなりました。

nutte

有名なところでは、nutteさん。

縫製士と発注者をつなげるサービスの先駆者といったイメージです。

narikiri

コスプレや衣装などの製作マッチングサイト、narikiriさん。

こんなサービスもあるんですね。2018年にリリースされたそうです。

MY HOME ATELIER

小ロットの量産を請けたいのであればMY HOME ATELIERさん。

先日、動画の企画でMY HOME ATELIERを運営している株式会社ヴァレイの谷さんにインタビューさせていただきました。

このサービスの有難いところは、

  • 裁断しなくていい(ヴァレイさんが裁断した生地を送ってくれる)
  • 発注者との契約書締結を代行してくれる(事故が起きた場合の責任の所在を予め決めておく)

などなどさすがご家族に現役の縫製士がいるため、個人の縫製士にとって助かるポイントを押さえている印象です。そして安く叩かれがちな個人の縫製業者のために窓口になって価格交渉してくれるのがとても助かります。

個人で縫ってると縫製工賃の相場が分からないんですよね。発注者は色んな縫製業者に依頼するから何となくの相場は分かるんですけど、請ける側は他業者さんがどんな値段で請けているか分からない。ネットに公開されてても、ポケットが付いたらいくらとか折伏せ縫いにしたらいくら、とか細かに公開してるわけではないですから。

さらに途中で縫製仕様を変えて、というリクエストが来ることもあります。そんなときに個人で請け負っていると追加費用を請求できたりできなかったり…。

そういった価格交渉や裁断作業などをMY HOME ATELIERが代行してくれるというのはホント個人の縫製業者にとって有難いな、と思います。

独立する縫製士

で、きっとこういったサービスがあれば縫製士の独立も促されると思うんです。

ただそうすると縫製工場としては、せっかく育てた縫製士がいなくなってしまうわけで。

独立せずに工場で働いてもらうためには給料を上げざるを得ないわけですから、いよいよ縫製業の賃金相場も変わってくるのかな…と。

ただ、独立したら独立したで また違う見えてこなかった大変さもあります。

独立して大変なこと①「縫う以外の仕事もしないといけない」

縫製工場では縫うことに集中できてましたけど、独立したら行政の手続きや依頼者との連絡や確定申告等の経理も自分でやらなくてはいけません。スタッフがいればいいんです。でも初期の段階は一人でやらないといけないケースが多いでしょう。自分の苦手な作業、例えばパソコン作業とかは工場にいたらやらなくて良かったわけですが、独立したらある程度自分でやらないといけません。苦手だからできませんなんて通用しません。廃業あるのみです。

独立して大変なこと②「経済的に不安定」

毎月安定してお金はもらえません。収入があるときはいいけどそうでない時も耐えなければいけません。まぁ会社に勤めてても安定かと言われればそんなこともありませんが。

独立して大変なこと③「同僚がいない」

これ案外平気と思いがちですけど、話し相手がいないって結構メンタルにきますよ。仕事の話ができる仲のいい同業者を探しておいた方がいいです。

工場も大変だし独立するのも大変

どうでしょうか。縫製工場は給料を上げる工夫をしないといけないでしょうが、縫製士も独立すればバラ色なスタイルで仕事ができるわけでもないと思います。

特に縫製業に就きたいという方は 接客や営業が苦手だから選んだというパターンもあると思います。独立に向いてない方もいらっしゃいます。

私の場合は縫製工場で働いた経験がなく いきなり縫製業で起業したわけですが、今のところ何とか生きてます。今年で6年目です。これまでの職歴のおかげで営業や接客は苦にならずできているとも思います。独立するのは大変と書きましたが私個人的には大変という意識はありません。サラリーマンしてた時の方がよっぽど大変でした。

皆さん向き不向きがあって、向いてないと思されてた人もいざ起業したらうまくいったりすることもありますから何とも言えませんね。

起業して初めて元の職場(縫製工場)の環境がいかに恵まれていたか気づくこともあります。出戻りOKな懐の深い工場…あるのかな。

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